前回、「尊厳死宣言公正証書その２」でお示しした文例を見られてどのように思われましたか？
「堅すぎる」、「回りくどい」・・・でしょうか。ごもっともですが、上記文例は次のような事情を背景として、足らざる点を補う観点から作成されています。
尊厳死宣言は、法律で定められた手続ではありません。ですから、尊厳死宣言公正証書を作ったとして、医者があなたの意思に従わなければいけないかというと、残念ながらそのような義務はありません。しかしながら、といいますか、したがってといいますか、医師があなたの意思を尊重することは十分可能ですし、また、後日家族から非難されるのではないかと医師が不安を持つことがあると思いますが、それを取り除いてあげるという効果はあると思われます。そうしたうえで、実際の医療現場において、尊厳死宣言公正証書を見る医師に対して尊厳死の許容を期待するということになります。
上記文例にこだわらず、あなたの考える文例も可能ですが、上記観点をはずさないことが肝要と思われます。