遺贈については民法994条1項により、「遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない」とされています。他方、「相続させる遺言」の場合は学説、裁判例が分かれていましたが、平成23年2月22日最高裁第三小法廷判決(判タ1344号115頁外)は、「遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生ずることはない」と判示して決着がつきました。したがって、「遺言者は、Aが遺言者の死亡前に又は遺言者と同時に死亡したときは、第1条に定める財産全部を同人の長男のBに相続させる。」というような予備的遺言(補充遺言)をしておくことが有益です。