遺言その7 「相続させる」と「遺贈する」 表現の使い分け
民法は、相続人に対しても遺贈を認めていますが(903条1項)、公証実務では「相続させる」という表現をとることが多いので、その経緯について触れたいと思います。 「相続させる」とした場合の効果については、かつて学説、裁判 […]
遺言その6 負担付の遺言
「遺言者の二男Cは、上記財産を相続する負担として、遺言者の債務一切を負担、承継すること、かつ、遺言者の妻Aに対し、その生活費として、同女の生存中、1か月金10万円ずつを毎月末日限り持参又は送金して支払うこと」という条項は […]
遺言その5 マイナス財産(債務)について考える。
債務の扱い ア 判例によれば、金銭債務その他の可分債務は各相続人が相続分に応じて分割承継するとされています(分割債務説)が、これは債権者に対する関係においてであり、相続人、受遺者間における内部的負担については、遺言で上記 […]
遺言その4 受益相続人が遺言者より先に死亡した場合、遺言はどうなりますか?
遺贈については民法994条1項により、「遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない」とされています。他方、「相続させる遺言」の場合は学説、裁判例が分かれていましたが、平成23年2月22日最高裁第三小法廷 […]
遺言その3 財産の一部のみを対象とする遺言は可能ですか。
可能ですが、財産の一部のみを対象とする遺言は、遺言対象外の財産について法定相続が開始することになり、遺産分割協議が必要となります。そして、「相続させる」とした場合も民法903条1項の類推適用があると考えられますから、持ち […]
遺言その2 遺言が特に必要な場合とは?
遺言をすることに抵抗を感じる人もまだまだ多いと思われますが、次のような場合は遺言の必要性が高いと言えます。 ア 相続人でない者にあげたい場合 内縁の妻に遺産を譲りたいとき 相続権のない孫に遺産を贈りたいとき 世話をしてく […]
遺言その1 遺言にはどのような法的効果がありますか?
遺言は法定相続に優先します。遺産全部について有効な遺言があれば、遺産分割協議は不要となります。また、遺言自由の原則といって、被相続人が遺産の処理について自由に決定できます。民法964条には「遺留分に関する規定に違反するこ […]